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平成29年度 医学研セミナー

疾患を代謝から観る‐避けられない糖化反応とその細胞応答系‐

演者 山本 靖彦
金沢大学医薬保健研究域医学系 血管分子生物学 (教授)
会場 東京都医学総合研究所 2階講堂
日時 平成30年2月23日(金)15:30~
世話人 新井 誠 (統合失調症プロジェクトリーダー)
参加自由 詳細は下記問合せ先まで
お問い合わせ 研究推進課 普及広報係
電話 03-5316-3109

講演要旨

生体内に存在するほとんどすべての生体高分子は、生命活動に伴って非酵素的な糖化反応(グリケーション)を受ける。最近では、グリケーションによる細胞への影響を糖化ストレスと称したりもするが、我々は生きている限りにおいて、これを避けては通れない。当初、その糖化反応は、グルコースに代表される還元糖のカルボニル基とタンパク質のアミノ基が非酵素的に反応し、最終的糖化産物(AGE)の生成に至るまでのことを指していた。しかし、現在ではより広い範疇で使用されている。糖尿病のような慢性的な高血糖状態では、生体内のあらゆるところでグリケーション反応が亢進し、その最終産物であるAGEが蓄積することになる。現代の高齢化社会においては、年齢を重ねるとともにグリケーション反応とその最終産物AGEが形成・蓄積し、加齢関連疾患の発症に関わることになる。個体において生命活動を行うすべての細胞は解糖系を利用する。細胞内では、細胞外から取り込んだグルコースを使ってエネルギー産生が行われている。解糖系においてグルコース代謝の中間産物であるグリセルアルデヒド-3-リン酸を経由して、常に数%副産物として非常に反応性の高い α-ジカルボニル化合物のメチルグリオキサールが産生され続けている。メチルグリオキサールは、それ自身強力な細胞毒性を有しているが、通常、glyoxalase systemにより消去され、その鍵を握る酵素がGlo1である。様々な病態形成において、メチルグリオキサール 、Glo1の関与が知られてきている。また、最終産物の AGEは、AGE受容体(RAGE)に認識され様々な細胞応答やそれに引き続く病態形成を引き起こすことになる。このように、グリケーションやGlo1、RAGEは様々な病態や疾患の発症進展に関わっていることが明らかになってきた。本セミナーでは我々の最新の知見も交えて議論してみたい。

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