開催報告

第29回 国際シンポジウム(2024年11月1日 開催)
A New Era for Diagnosis and Treatment of Diabetic Neuropathy


糖尿病性神経障害プロジェクトリーダー三五 一憲

本シンポジウムでは、糖尿病性神経障害(diabetic…neuropathy)の病態、診断、治療に関して著名な研究者11 名(海外5名、国内6名)をお招きしました。セッション1では、神経障害の病態(ポリオール代謝、糖化、酸化ストレス等)に関する最新の研究成果が紹介され、成因に基づく治療法開発の可能性に関して有意義な議論がなされました。セッション2では、角膜共焦点顕微鏡(角膜に分布する神経線維の密度などを評価する)や定量的感覚検査装置などの、診断に関する機器の有用性に関する情報・意見交換がなされました。また我が国で改訂が進められている神経障害診断基準が紹介され、その利便性や課題に関して活発な議論が展開されました。セッション3では、近年汎用されている血糖降下薬(DPP-4 阻害薬、GLP-1 受容体作動薬、SGLT2 阻害薬等)の、神経障害に対する有用性を検討した臨床研究が紹介されました。最後の総合討論では、主に国内の研究者から提案された議題(疾患修飾薬の開発、包括的治療、診断基準等)に関して、さまざまな視点からの提言がなされました。国内の演者や一般参加者からも多くの質問やコメントがあり、想像以上の盛会となったことに、主催した私も深い感銘を受けました。本シンポジウムの運営にご助力いただいた普及広報係をはじめとする所内の皆様、また協賛ならびに機器展示を賜りました CBC 株式会社様に、心より感謝申し上げます。

第29回国際シンポジウム集合写真