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がんのスプライシング異常を標的にした治療法

演者 吉見 昭秀
国立がん研究センター研究所 がんRNA研究分野 分野長
会場 ハイブリッド(講堂+Zoom)
日時 2025年2月27日(木曜日)16:00~17:00
世話人 丹野 秀崇
がん免疫プロジェクトリーダー
参加自由 詳細は下記問合せ先まで
お問い合わせ 研究推進課 普及広報係
電話 03-5316-3109

最近の知見から、RNAスプライシングの異常はがんの新しいHallmarkであることがわかってきました。これに応じて、スプライシングを全体的に標的とするスプライソソーム阻害剤や、がん特有のスプライシングイベントを狙う核酸治療薬など、さまざまな標的療法が開発されています。スプライス部位に影響を及ぼす遺伝的変異はCis-acting調節(スプライシングされる側の)因子として機能し、変異遺伝子自体に影響を与える一方で、Trans-element(スプライシングする側)の異常は、1,000あまりの遺伝子に同時にスプライシング異常を誘導して発がんに導きます。治療のためにはそれぞれ異なるアプローチをとる必要があり、現在精力的に研究されているがん研究領域の一つと言えます。本講演では、異常なスプライシングを伴うがんに対するこれらの新しい治療法の概要をご紹介し、治療戦略の将来について議論したいと思います。特に下記の項目について、時間の許す限りご紹介する予定です。

  • スプライシング因子の変異によるがん病態と治療法
  • がんのスプライシング異常を狙った核酸医薬
  • がんのRNA修飾異常と核酸医薬
  • がんのスプライシング異常を起点にする免疫療法開発