演者 | 河下 映里 京都薬科大学 病態生化学分野 助教 |
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会場 | 対面式(2階講堂) |
日時 | 2024年9月5日(木曜日)16:00~ |
世話人 | 丸山 千秋 脳神経回路形成プロジェクトリーダー |
参加自由 | 詳細は下記問合せ先まで |
お問い合わせ |
研究推進課 普及広報係 電話 03-5316-3109 |
線溶系は、血管内で形成されたフィブリン血栓を溶解するだけでなく、細胞外マトリックスや細胞増殖因子などを分解・切断することで、創傷治癒やがん進展における“組織線溶“を担っている。ヒトおよびマウス脳において線溶反応を担うプラスミノゲンアクチベータ(PA)やプラスミン、そして線溶系抑制因子であるα2-アンチプラスミン(α2AP)やニューロセルピン(NSP)の発現が確認されて以来、神経機能における線溶系因子の役割が少しずつ明らかになっているが、個体レベルでの線溶系因子の役割については不明な点が多い。我々の研究グループは、これまでにα2APが神経細胞の成熟、記憶学習や情動などの行動、および脳老化に関与することを見出しており、さらに、線溶系抑制因子であるα2APやNSPの虚血性脳疾患との関連性についても研究を進めている。本セミナーでは、α2APおよびNSPの脳神経機能における役割とともに、線溶系制御による虚血性脳疾患治療の可能性について紹介する。