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演者 | 新田 淳美 富山大学学術研究部薬学・和漢系 薬物治療学研究室 |
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会場 | 対面式(2階講堂) |
日時 | 2024年8月8日(木曜日)15:00~ |
世話人 | 池田 和隆 依存性薬物プロジェクトリーダー |
参加自由 | 詳細は下記問合せ先まで |
お問い合わせ |
研究推進課 普及広報係 電話 03-5316-3109 |
私達は覚醒剤精神病マウスから同定した新規分子としてSHATI/NAT8Lを覚醒剤嗜好抑制因子として1997年に見出し、今までに20報以上の論文として公表してきている。SHATI/NAT8Lは、覚醒剤の薬理作用を抑制し、嗜好性を抑制するだけでなく、認知症の抑制、うつ病の発症等、多くの表現型を示す。
本来であれば、精神神経疾患は、1分子や1遺伝子が原因でなく、複数個の遺伝子の障害と考えられていることから、私のように1分子が原因であるとして進めるには、時代遅れ感もあるが、他の研究グループからの成果も真摯に受け止め、総合的に考えていく必要がある。また、生まれた後の環境も精神疾患の発症には重要であることから、動物による精神疾患の再現は複雑になっている。しかし、精神疾患類似の表現型を示すマウスが確立されなければ、新規の医薬品の創出をすることができないため、新規医薬品によって、苦しむ患者さんを救いたいと考えている。