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平成28年度 医学研セミナー

生命科学研究の新手法の開発とタンパク質凝集疾患への挑戦

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演者 八谷 如美 東京都立産業技術研究センター
会場 東京都医学総合研究所 2階講堂
日時 平成28年11月15日(火)16:00~
世話人 田中 啓二 (東京都医学総合研究所 所長)
参加自由 詳細は下記問合せ先まで
お問い合わせ 研究推進課 普及広報係
電話(03)5316-3109

講演要旨

「寿命を伸ばすための医療技術の発達はめざましく、我が国では世界に先駆け超高齢社会に突入したが、その一方で加齢に伴う疾患への罹患率は増加の一途であり、治療法はおろか病態解明すらままならないのが現状である。

思うに、その理由のひとつは、遺伝性疾患を主とする核酸を対象とした研究成果に比較して症例の大部分を占める孤発性疾患についての情報が圧倒的に足りないせいであって、こうした難治性神経変性疾患などに見られる直径数μm程度の疾患由来タンパク質凝集体は病態解明の唯一の手掛かりであるものの、その凝集性ゆえ、疾患由来凝集体ごとのキャラクタライズも未だ十分ではなく、そもそもにおいてこうした性質の蛋白質への生化学的実験はままならないためである。そこで、この状況を打破するべく、新しい研究手法として、我々は極微小領域の可視下サンプルを高純度・高精度かつ容易に単離可能な改良型レーザーマイクロダイセクターを開発した。また、出芽酵母から同定した強力なタンパク質可溶化活性を有する多量体を用いて凝集体の不溶化問題への解決を図っている。本講演では、これらの生命科学研究手法への新しいアプローチと今後の展開について紹介する。

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