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平成26年度 医学研セミナー

特定細胞集団の活動を操作する、観察する

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演者 田中 謙二 (慶應義塾大学医学部 精神・神経科学教室 特任准教授)
会場 東京都医学総合研究所 講堂
日時 平成27年1月14日(水)16:00
世話人 岡戸 晴生 副参事研究員(神経細胞分化プロジェクト)
参加自由 詳細は下記問合せ先まで
お問い合わせ 研究推進課 普及広報係
電話(03)5316-3109

講演要旨

ある遺伝子の機能を調べたいときは、loss of function studyとgain of function studyを組み合わせる。 前者は遺伝子ノックアウト、後者は遺伝子過剰発現が相当するが、いずれも操作という範疇に入る。 その操作の結果、何が変化するか観察する。分子生物学において操作と観察の両輪をまわす手法は四半世紀の歴史がある。 神経科学ではどうであろうか。 ある神経細胞の機能を調べたいときも同様にloss of function studyとgain of function studyを組み合わせることになる。 そして、回路や行動にどのような変化が生じるか観察する。 言うは易しであるが、神経細胞活動の操作は簡単ではない。 精緻な操作は従来の方法ではできない。 2005年に登場したoptogeneticsは神経科学者が待ち望んでいた新しい神経活動操作法であり、2010年頃から皆が使いこなせるようになってきた。 私もはやくからoptogeneticsの習得に励み、神経活動を自在に操作できるようになってきた。 自在に操作できるようになって気づいたことは、何が生理的な操作で何が非生理的な操作か分からなくなってしまったことである。 Optogeneticsの問題点に触れながら、神経科学研究においてどのようにして操作と観察の両輪ををまわしていけばよいのか、腹側線条体(脳部位)と意欲(行動)について取り組んだ研究を紹介しながら私見を述べる。

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