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平成26年度 医学研セミナー

蛋白質翻訳後修飾の概日リズム

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演者 大川(西脇)妙子(名古屋大学トランスフォーマティブ生命分子研究所 特任准教授)
会場 東京都医学総合研究所 講堂
日時 平成26年12月11日(木)16:00
世話人 前田 信明 副参事研究員(神経回路形成プロジェクト)
参加自由 詳細は下記問合せ先まで
お問い合わせ 研究推進課 普及広報係
電話(03)5316-3109

講演要旨

概日リズムは様々な生理活性の約24時間周期の振動であり、概日時計により制御される。 概日時計遺伝子は種間で保存性が低いが、概日リズムの発振は、概日時計遺伝子産物が自身をコードする遺伝子の転写を抑制する「転写・翻訳のネガティブフィードバックループ」という共通の機構で起こると考えられている。 このモデルの反例がシアノバクテリアで見いだされた。 概日時計蛋白質KaiCのリン酸化状態は、転写、翻訳が起こらない条件でも約24時間周期で振動し、3つの蛋白質KaiA、KaiB、KaiCをATP存在下で混合することによりin vitroでこのリズムを再構成できる。 KaiCは自己リン酸化の正反応と逆反応を周期的に繰り返すことによってリン酸化リズムを生じており、KaiA、KaiBはKaiCのリン酸化状態依存的にKaiCと相互作用し、KaiCのヌクレオチド結合状態の制御を介して反応の進行方向の決定に関与していた。 このようなリズムは、シアノバクテリアのみに存在する例外とされてきたが、近年転写・翻訳に依存しない翻訳後修飾のリズムが様々な種で報告されている。

本講演では翻訳後修飾の概日リズム研究の現状と今後の展望について紹介したい。

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