− この都医学研セミナーは終了しました。 −
演者 | 林 純一 (筑波大学 生命環境系 教授) |
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会場 | 東京都医学総合研究所 講堂 |
日時 | 平成27年3月11日(水)16:00 |
世話人 | 吉川 欣亮 副参事研究員(哺乳類遺伝プロジェクト) |
参加自由 | 詳細は下記問合せ先まで |
お問い合わせ |
研究推進課 普及広報係 電話(03)5316-3109 |
すべての真核生物がもつミトコンドリアは生体エネルギー産生の中核をなし、核ゲノムとは独立した固有のゲノム(ミトコンドリアゲノム;mtDNA)を保持する細胞小器官である。近年、このmtDNAの病原性突然変異がミトコンドリア病という特殊な疾患の原因となるだけでなく、糖尿病などの生活習慣病、パーキンソン病などの神経変性疾患、さらにはがん化や老化などの原因になっているという報告が相次ぎ、mtDNAの異常がわれわれ一人一人の健康にも重大な影響を与えているとして、ミトコンドリアの研究者のみならず世間の注目も集めるようになってきた。しかし、この「mtDNA突然変異を発端とした多様な病態発症」のシナリオのほとんどは状況証拠の羅列に基づいたものである。本セミナーではその虚像の一部を根こそぎ崩壊させた例を紹介したい。