| 演者 | 関根 清薫 東京科学大学 生命理工学院 准教授 |
|---|---|
| 会場 | ハイブリッド(講堂+Zoom) |
| 日時 | 2026年9月28日(月曜日)16:00~17:00 |
| 世話人 | 宮岡 佑一郎 再生医療プロジェクト |
| 参加方法 | 詳細は事前に下記問合せ先までご連絡ください |
| お問い合わせ |
研究推進課 普及広報係 電話 03-5316-3109 |
組織形成の過程で、細胞は周囲から受け取る分子シグナルだけでなく、組織全体がどのような形をしているか(=組織ジオメトリー)という情報を利用している。この組織ジオメトリー情報は「方向による張力や変形のしやすさの違い」として現れるが、これをいかに効率的に受け取り、正確に細胞内の分子配置へ変換するのかはほとんど明らかになっていない。
私はショウジョウバエの気管と心臓管を用いてこの問題に取り組んできた。管状組織は長軸方向と周方向という明確な空間軸を持ち、組織ジオメトリーと細胞内の分子配置の関係を解析する上で優れた系である。気管は上皮細胞からなる管状組織で、その内腔側にはアクトミオシンが周方向に、等間隔に並んだケーブル状構造が形成される。私はこのケーブル形成の前段階として、小さな分子集合体「アクチンナノクラスター」が多数形成され、それらが周方向優位な微小運動と融合を繰り返しながらケーブルへ成長することを見出した(Sekine et al., Nat Commun, 2024)。さらに、このアクチンナノクラスターと類似した構造を、拍動開始前後の初期の心臓管においても発見した。そこで、心臓特有の複雑な筋原線維パターンを、アクチンナノクラスターを起点にして考えることでより深く理解できるのではないかと考えている。
本セミナーでは、これまでの成果に加え、拍動の開始機構および伝播方向性の獲得過程についても議論したい。