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演者 | 藤原晴彦 東京大学大学院 新領域創成科学研究科 先端生命科学専攻 教授 |
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会場 | ハイブリッド(講堂+Zoom) |
日時 | 2023年4月7日(金曜日)14:00~15:00 |
世話人 | 正井 久雄 所長 |
参加自由 | 詳細は下記問合せ先まで |
お問い合わせ |
研究推進課 普及広報係 電話 03-5316-3109 |
ヒトゲノムには大量の転移因子が蓄積されているが、ゲノムの20%ほどを占めるL1は遺伝病やガンを引き起こすことがある。L1はLINE(Long Interspersed Nuclear Element)の一つで、non-LTRレトロトランスポゾンに分類されるが、他の転移因子に比べると転移機構は不明な部分が多い。L1を含めほとんどの転移因子はゲノムをランダムに転移するが、LINEにはテロメアやrDNAなどゲノム上の反復配列上の特定配列にだけ転移するものがあり、筆者らは40年近くこのような標的特異的LINEの転移機構を調べてきた(Fujiwara, H. (2015) Microbiol. Spectr.)。多様な標的特異的LINEやそれらの適応戦略、rDNAにのみ転移する標的特異的LINEの転移メカニズムについて紹介する。新型コロナウィルスのmRNAワクチン以後、mRNAから遺伝情報を直接ゲノムに書き込めるLINEは新たな遺伝子治療ツールとして着目されており、筆者らの試みも紹介したい。