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演者 | 金田 勝幸 金沢大学 医薬保健研究域薬学系 薬理学研究室 教授 |
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会場 | 対面式(講堂) |
日時 | 2023年6月28日(水曜日)14:00~ |
世話人 | 西村 幸男 脳機能再建プロジェクトリーダー |
参加自由 | 詳細は下記問合せ先まで |
お問い合わせ |
研究推進課 普及広報係 電話 03-5316-3109 |
ストレスは覚醒剤や麻薬等の依存性薬物に対する欲求を増大させる。これが薬物依存症治療の妨げとなっている。したがって、治療的介入法の開発にはストレスによる薬物欲求増大メカニズムの解明が重要である。我々は齧歯類を用い、コカイン条件付け場所嗜好性試験に各種急性ストレス負荷を組み合わせる実験系を確立し、この点について解析してきた。
本セミナーの前半では、急性ストレス負荷によるコカイン欲求増大に、内側前頭前野でのノルアドレナリン神経伝達の亢進が関与すること、また、運動がストレスによるコカイン欲求増大を抑制するメカニズムについて紹介する。
一方、近年、社会生活に悪影響を及ぼすにも関わらず、ネット・ゲームなどの特定の行動にのめり込む行動嗜癖が大きな社会問題となっているが、その治療薬・治療法は開発されていない。その要因として適切な動物モデルの欠如があげられる。
我々は、齧歯類がランニングホイール(RW)を執拗に回転させる行動に着目し、オペラント条件づけによりマウスのRW回転行動に対する欲求を定量化できる課題を構築した。
セミナーの後半では、これを行動嗜癖モデルとして用い、動機付けに関与する神経伝達と側坐核に着目した行動薬理学的解析について紹介したい。