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開催報告

第30回 サイエンスカフェin上北沢 (2019年3月10日開催)
こころとからだのメンテナンス -からだのなかの電気のリズム-

うつ病プロジェクトリーダー楯林 義孝

楯林義孝研究員

近年、ITの発達とともに、ウェアラブル機器などが急速に普及し始め、さまざまな健康情報がスマートフォンなどを通して利用出来るようになってきました。それら機器の情報源の一つは、今回のテーマでもある「からだのなかの電気のリズム」です。しかしながら、脳波や心電図、汗と皮膚の電気活動の関連性など、何となく知っていても、実際その仕組みがどうなっているのか?また心の状態とどう関連するのか?などを知る機会は多くはありません。そこで今回のサイエンスカフェでは「体の中の電気」について、静岡済生会総合病院精神科部長の榛葉俊一協力研究員に協力頂き、うつ病プロジェクトから話題提供させて頂きました。

当日は小学校高学年の児童を中心に、多数の方に親子連れでご参加頂きました。まず、最初の30分間、体の中の電気のリズムについて、私の方から出来るだけ分りやすく説明させて頂きました。脳の神経細胞がどのように電気活動を伝達に利用しているのか?眠りによって脳波の波がどのように変化するのか?またストレスによって睡眠脳波が変化することなどを解説しました。さらに脳波、心電図及び汗を計測することで、自律神経の状態がわかることを説明しました。自律神経はストレスによって大きく影響を受けます。榛葉協力研究員からは、脳波計、心電図計、発汗計測計などの仕組み、リラックスする方法として、脳の場合は目を閉じること、心臓の場合は深呼吸すること、汗をかかないようにするには何も考えないようにすること、といった話がありました。

説明後には、脳波、心電図及び汗の3つの計測を皆様に体験して頂きました。脳波の計測では、目を閉じてリラックスした状態になると、規則正しい波形が現れ、α波が出てくることが確認できます。心電図の計測では、深呼吸すると、脈の間隔が広がり、副交感神経の活動も高まることがわかります。汗の計測では、一般的にはうそ発見器で利用されている技術ですが、何も考えない状態から、何かを考える状態になると、波形が大きく乱れることが確認できます。参加者の皆様は、3つともうまく計測できたり、1つしか計測できなかったりと様々でしたが、楽しんで頂きました。

参加した皆様からは、「α波がちゃんと出て面白かった」、「汗によって自分の中で何が起きているのか知ることができて楽しかった」などといった御意見を数多く頂きました。また、当研究所のプロジェクト研究の紹介も行ない、保護者の皆様からは、脳神経研究に対する質問も頂くなど、研究への理解を深めて頂きました。ご参加頂いた皆様には心より感謝申し上げます。また、事前準備や当日の進行スタッフ、何よりカフェの雰囲気をピアノ演奏で上質のものにして頂いた、脳卒中ルネサンスプロジェクトの七田プロジェクトリーダーに御礼申し上げます。

会場の様子

会場の様子

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