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開催報告などを掲載しています。




平成28年6月20日(月)〜23(木)

夏のセミナー「睡眠研究に関する基礎技術を習得」を実施しました。

会場:東京都医学総合研究所

6月20日(月)から23日(木)までの4日間にわたり睡眠研究に関する基礎技術を習得するためのセミナーを実施しました。

初日の睡眠科学の基礎と臨床の講演では、現代の社会問題となっている睡眠障害等についてのご説明がありました。また2日目の動物の睡眠脳波についての講演では、睡眠覚醒研究における動物モデルの有用性等についてのお話がありました。他にもヒトの睡眠研究や睡眠と遺伝との係わりについて、など医学研ならではの講演を行いました。

一方で、参加者自身で体験していただくための実習を多く行いました。

脳波測定の実習やマウス、ラットを使った脳波電極手術の実習を行いました。また、脳内の伝達物質測定のための「ボルタメトリー法」「マイクロダイアリシス法」のデモなど盛りだくさんの内容で参加者には充実した時間を過ごしていただくことができました。

写真:夏堀研究員、本多技術員によるデモの様子


平成28年6月15日、23日、30日

東京都 平成28年度在宅難病患者訪問看護師養成研修を開催しました。

会場:東京都医学総合研究所 講堂 他

平成28年6月15日、23日、30日の計3日に「東京都受託研修事業 在宅難病患者訪問看護師養成研修」を開催しました。

この研修は、年に2回、基礎コースと応用コースに分けて毎年開催しています。 難病患者に対する訪問看護は、病状の進行や療養過程に応じた生活障害を予測的に判断し個別的でタイムリーな支援が必要です。そのための知識と技術は非常に専門性が高く、研修の機会が求められています。本研修でも、定員を超える多くの訪問看護師、保健師よりご応募いただきました。

プログラムは、専門医による疾患及び治療、行政担当者による難病施策、高度な在宅医療の支援知識と技術演習など、難病の専門的知識・技術を凝縮した講演がありました。さらに、公開シンポジウム「難病療養者の暮らしを取り巻く看護の輪・和・話の拡がり」では、病院と在宅をつなぐ看護や地域の安全をまもる保健活動の先駆的な取り組みのご紹介、実際に在宅で人工呼吸器を装着しながら積極的な社会活動を実現されている療養者からの看護師保健師へのメッセージ、その療養者の活動・生活をそっと医療の立場で支える訪問看護活動に関する講演があり、会場の皆さまとともに「『話』により『和』になって『輪』が拡がる」ことを確認し、共有した素晴らしい時間となりました。

10月には、応用コースの開催を予定しており、今後も実り多き研修とすべく準備中です!

写真右:上から講義の様子、在宅人工呼吸管理演習の様子

写真下:公開シンポジウムの様子





平成28年6月9日

平成28年度第2回都医学研都民講座を開催しました。

会場:一橋講堂

6月9日、公益財団法人東京都医学総合研究所は一橋講堂において、滋賀県立小児保健医療センター小児科医長 熊田 知浩 先生を講師にお迎えし、当研究所の 岡戸 晴生 研究員、平井 志伸 研究員とともに「遺伝子と食のつくる脳」と題し、講座を開催しました。

今回の講演では、最初に岡戸研究員から、なぜ脳に遺伝子と食が関係するのかをテーマにお話がありました。遺伝子異常により脳の働きに何らかの障害が起こることがあるが、一部の異常はケトン食など、食により正常化されることがあり、食によって脳の機能は影響を大きく受けるとのご説明でした。次に、遺伝子の量により脳の形成や機能が影響を受けることがあり、例えば大脳皮質でRP58タンパク質が半減すると小頭症や知的障害などの脳発達障害を惹き起こすことがあるとの講演でした。

次に平井研究員から、食事の摂取内容によって脳が受ける影響についてお話しがありました。菓子パン、グラニュー糖など血糖値の上昇しやすい糖の消費が増加傾向にあることのお話でした。それから過剰な糖質が脳に悪いことについてのご説明があり、逆に、適切な食事により一部の遺伝子異常は克服できるとのお話しがありました。

最後に、熊田先生からケトン食療法についてのお話がありました。ケトン食の歴史はてんかん治療の歴史であり、炭水化物を減らし、脂質を増やすことで、体内でケトン体が多く産生されるように考案された食事とのご説明でした。ケトン食は、神経伝達物質の調整や神経保護作用、血糖の安定化を図り、てんかん発作を抑えるとのことです。また、自閉症や認知症、アルツハイマー病にも効果があるとのお話しでした。

講演終了後も熱心な受講者からの質問が絶えず、大変充実した講演会となりました。

写真:右上から、岡戸研究員、平井研究員、熊田先生、岡戸研究員の講演の様子、

写真:下、講演前に控え室にて(左から熊田先生、岡戸研究員、平井研究員)






平成28年4月27日

平成28年度第1回都医学研都民講座を開催しました。

会場:東京都医学総合研究所 講堂

今回の講座を皮切りに、今後も公益財団法人として多岐にわたる当研究所の研究内容の一端や関連する最新情報を、都民の皆様に分かりやすくお伝えしていきます。今年度は全8回にわたって講座を開催します。

その第1回都医学研都民講座は、4月27日(水曜日)、都医学研において都立墨東病院小児科部長 伊藤 昌弘 先生を講師にお迎えし、当研究所の 佐久間 啓 研究員とともに、「こどもの脳を守る -診療と研究の最前線-」と題し、講座を開催しました。

今回の講演では、最初に佐久間研究員から、こどもの脳を守るために研究者がしていること、についてお話しがありました。こどもの脳・神経の病気を研究するうえで大切なことは、医療現場のニーズを満たす、必要性の高い研究を行うことが重要です。こどもの脳・神経の病気のうち、後天性疾患であるウィルス関連急性脳症は、健康だった児童が突然発症するなど家族にとっての問題点、原因がわからないなど診療の問題点、研究を行っている施設は世界的に見ても限られているなど課題が多いとのお話でした。

次に、「子どもの脳を守る」を題目に伊藤先生からお話がありました。まず、周産期障害として核黄疸と新生児仮死についてご説明がありました。黄疸が強いと脳性まひや死亡の原因となり、その治療法である光線療法が蛍光灯からLEDに変わってきたとのことでした。新生児仮死とは、出生時に呼吸がうまくできないため、心臓の働きが悪くなり、全身が血液・酸素不足で脳や腎臓を中心に悪影響を起こす病気で、呼吸の問題や循環系の問題、脳の問題など様々な病気を発症する可能性があり、それぞれに治療法が確立されているとのご説明があり、来場者はメモを取りながら熱心に聴講していました。

講演会終了後、希望者を対象に、6グループに分かれ、研究室を見学していただきました。見学者からは、「普段見ることの出来ない研究室が見学出来て楽しかった」「分かりやすくご説明いただき、よく理解できた」等、とても満足していただきました。

写真右:上から、佐久間研究員、伊藤先生、控え室でのひと時、研究室見学の様子

写真下:講演の様子

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