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開催報告

都医学研都民講座

当研究所では、研究成果やそれに関連する最新情報を都民の皆様にお伝えする「都民講座」を年に7~8回行っており、今号では平成24年度第6回から第8回の開催報告をいたします。

第6回都民講座 平成24年12月20日(木)開催

第6回

平成24年12月20日(木)に津田ホールで、第6回医学研都民講座「糖尿病合併症から身を守る」を開催致しました。当日は天候に恵まれ、200名以上の方が会場に足を運んで下さいました。齊籐実分野長の司会により私が20分程度話した後、東京慈恵会医科大学の宇都宮一典教授に講演していただきました。我が国の糖尿病患者数は急増しており、しかも糖尿病が強く疑われる人の半数近くが医療機関を受診していないと推定されます。糖尿病を放置しておくと、動脈硬化が進んで心筋梗塞や脳梗塞を起こす危険が高くなります。また神経障害、網膜症、腎症等の慢性合併症により、足切断、失明、人工透析導入等の深刻な事態を招きます。合併症から身を守るためには、食事療法と運動療法を基本とした「血糖コントロール」が最も重要です。最近処方されるようになったインクレチン関連薬は、比較的低血糖をおこしにくく、食欲抑制や神経再生促進等の膵外作用も注目されています。ご多忙の中、宇都宮先生には非常に明解なご講演を賜り、多くの質問に懇切丁寧に回答して下さったことを深謝致します。また本講座に合わせて、旧神経研ホームページに掲載した「医学研究コーナー」を改訂し、資料として配付しました。その内容は、近々医学研ホームページにも掲載する予定です。

(運動・感覚システム研究分野 三五 一憲)

第7回都民講座 平成25年1月17日(木)開催

第7回

第7回は平成25年1月17日(木)、東京大学農学生命科学研究科名誉教授・特任教授の阿部啓子先生をお迎えし、「味覚と健康-その繋がりの原理をさぐる-」と題して開催しました。まず医食同源の概念から始まる味覚研究の歴史を概説され、飽食の時代である現代の先進国の問題点と、それに対する「機能性食品」などの味覚研究からの取り組みについて興味深くお話し頂きました。さらに、味覚を受容する分子など最先端の味覚研究についても分かりやすく解説して頂きました。  幼時の食事に関する楽しい思い出や幅広い食物の摂取、すなわち「食育」が、味覚の健全な形成には必要不可欠であり、延いては生活習慣病の防止に極めて重要であること、また、味覚を感じる仕組みの研究が塩分やカロリーの取り過ぎを抑えることにつながること、など味覚研究の重要性と、未来への展望を熱くお話し頂きました。

会場からも、加齢と共に味覚はどのように変化するのか、など多くの興味深い点について質問が出されました。和やかな中にも活発なやりとりが行われ、時間を少し超過して盛況のうちに終了しました。講演後のアンケートの集計でも、難しかったという人が2割未満となり、大変好評を博しておりました。

(生体分子先端研究分野 反町 洋之)

第8回都民講座 平成25年2月27日(水)開催

平成25年2月27日(水)に都庁第一本庁舎において、平成24年度第8回都民講座「目の老化とアンチエイジング」を開催しました。慶應大学眼科教授の坪田一男先生には「目から若返ろう」という演題で、眼科領域における様々なアンチエイジングの方法をご紹介いただきました。

また筑波大学眼科教授の大鹿哲郎先生には「老化に伴う目の病気」というテーマで白内障、緑内障、黄斑変性症などについて、最新の治療法などを御講演いただきました。当日は小雨にも関わらず会場は満員で、参加者の皆さんは熱心に聞き入っていらっしゃいました。

(運動・感覚システム研究分野 原田 高幸)


研究所紹介パネル展示を閲覧する来場者(第8回)
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