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開催報告

平成29年度 第8回 都医学研 都民講座 (平成30年2月21日開催)
肝臓病からの解放に向けて

感染制御プロジェクト 特任研究員小原 道法

左:木村公則先生、右:小原道法研究員

左:木村公則先生 (控え室にて)

2月21日(水曜日)、都庁第一本庁舎5階大会議場において、「肝臓病からの解放に向けて」と題して、第8回都医学研都民講座を開催しました。今回は、都立駒込病院肝臓内科部長の木村公則先生を講師にお迎えしました。

まず、私から、「ワクチン治療の可能性を求めて」と題してお話ししました。C型肝炎ウイルス(HCV)の感染者に対する治療は長期間かかるものであり、また、治療効果の高い抗HCV薬が開発されているものの、とても高額な薬であることから、患者及び公的費用負担が膨大となっているのが現状です。そのため、HCVの排除や肝炎の抑制を目指した治療用ワクチンの開発を進めているとお話ししました。

国内において20万人以上もの患者がいるといわれるHCV肝硬変ですが、これに対する有効な治療薬は現在のところ存在しません。肝硬変になると、かなりの割合の人が肝癌を発症することから、肝硬変の治療薬の開発は緊急の課題となっています。そこで、木村先生たちのグループでは、HCV肝硬変患者に対する治療薬として、CBP/β-カテニン阻害剤(PRI-724) の安全性及び有効性を確認するための医師主導治験を実施したそうです。これは、日本発の治療薬であり、今後の実用化に向けた最新の情報もお話しいただきました。

講演後のアンケートでは、「HCVの治療用ワクチンや肝硬変の治療薬の開発が、今後も進んでいくことを期待しています。」といった御意見を多く頂きました。

都庁第一本庁舎5階大会議場

会場:都庁第一本庁舎5階大会議場

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