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平成27年度 医学研セミナー

自然リンパ球と炎症

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演者 小安 重夫(国立研究開発法人 理化学研究所 理事)
会場 東京都医学総合研究所 2階講堂
日時 平成28年1月29日(金) 15:30~17:00
世話人 田中 啓二 所長
松田 憲之 副参事研究員(ユビキチンプロジェクトリーダー)
参加自由 詳細は下記問合せ先まで
お問い合わせ 研究推進課 普及広報係
電話(03)5316-3109

講演要旨

最近の研究から、ヘルパーT細胞サブセット(Th1、Th2、Th17)に対応する、自然リンパ球(ILC1、ILC2、ILC3)が次々を発見され、感染や炎症における役割が明らかにされつつある。我々の研究室では、腸間膜に代表される脂肪組織中に、これまでに報告のないリンパ球集積を発見し、このリンパ組織をFALC (fat-associated lymphoid cluster) と名付け、さらにFALC中に大量の2型サイトカインを発現する細胞集団を見いだした。この細胞がIL-2によって増殖し、IL-5, IL-6, IL-13などの2型サイトカインを恒常的に発現し、IgA産生の増強やB1細胞の増殖に関わることから、ナチュラルヘルパー細胞と名付けた(この細胞は現在ILC2と呼ばれる)。さらに、ILC2が寄生虫感染における自然免疫反応を司る細胞であることや、喘息をはじめとする様々な2型の炎症に関わることを示してきた。

本講演では、ILC2と炎症との関わりに関し、人為的制御を含めた最近の研究を紹介する。

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