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April 2017 No.025
精神行動医学研究分野 分野長池田 和隆
1月31日、一橋講堂において、横浜市立大学附属病院児童精神科の青山久美先生を講師にお迎えし、「身近な依存のリスクに気を付けて!」と題し、講座を開催しました。
今回の講演では、最初に「退職後にアルコールにはまらないように」と題し、私が講演を行いました。お酒の功罪として、少量のお酒は心身に良いが、多量は身体、精神・神経の病気などを引き起こします。また、お酒に強いかは個人差がとても大きく、アルコール依存を防ぐには、飲む時間・上限を決める、休肝日を作ることなどが重要です。解決できない場合には、専門医療機関の利用をお勧めしました。
次に、「『やめなさい』でいいのか?変化するゲーム・ネットとはまる子ども達」と題し、青山先生からご講演がありました。近年青少年のインターネット利用率が大幅に上がり、それに伴い犯罪の温床、睡眠不足などの問題も出てきているとのことです。インターネット端末が発するブルーライトは体にも脳にも悪影響を及ぼし、睡眠障害を引き起こします。新たな依存症として「ネット・ゲーム依存」が提唱され、全国推計で50万人以上いるとのことです。予防するには、親が端末を渡す際に、事前の話し合いと制限をかけることが重要です。依存症になってしまったら、やめさせるのではなく、まず共感し、本人の危機意識と変わろうとする自発性を引き出すことが大切です。主役は本人であり、周りは応援団です。本人が納得して止めてもらえることが重要であるとの話が、実例を挙げて披露され、聴講者は熱心に聞き入っていました。
講演終了後も質問が絶えず、大変充実した講演会となりました。