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Oct. 2019 No.035
睡眠プロジェクトリーダー本多 真
24時間営業の店もあるなど、現代社会は便利になりました。仕事、勉強、趣味で夜更かしする人も増えています。結果として、日本人の睡眠時間はこの50年間で1時間短縮し、寝不足が広がっています。こどもも同様で、小学5年生の2-4割、中学生では5割が「眠い、だるい」と訴えると報告されています。眠りの大切さを理解するとともに、よい眠りの工夫を生活習慣に取り入れていただくため、「ねむりのしく み ─ ぐっすり眠る工夫 ─」と題して、サイエンスカフェを行いました。
当日は小学生7人を含む、多くの方にご参加いただきました。はじめに「夕方眠くなったら寝た方がよい」「寝不足のときは、休日は午後まで眠るのがよい」といった睡眠クイズを考えてもらい、その答えを探しつつ、眠りの仕組みを説明しました。さらによい眠りと目覚めに必要な、体内時計を保つ工夫(朝日を浴び、朝食をとる。平日と休日の起床時刻の差を2 時間以内とする)、眠りを準備する工夫(夜は明るい光を避け、深部体温が下がるように、入浴や運動は就寝直前には行わない)をお話ししました。
次に脳波を検出して動く、猫の耳の形をした機器(necomimi)を用いた実験を行いました。集中状態では耳が 立ってパタパタ動き、リラックス状態では動きが止まって垂れさがるため、耳の動きで自分の集中度やリラックス度がわかります。人気のキャラクターの動画鑑賞や、ゆったりしたバイオリンとピアノの演奏を、リラックス条件として準備しましたが、興味を持つとかえって集中し、耳が垂れるのはなかなか難しかったです。集中条件としては、「数独」や「ミッケ」を解く作業や、高照度のスマホ画面を目に近づける課題を試みていただきました。耳が立って動く様子が見られました。みなさん楽しんで下さったようです。
復習クイズのあと、睡眠・生活リズムを整えるためにできそうな改善目標を小学生に発表してもらいました。そのあと、様々な質問があり、みなさんの眠りへの関心の高さが伝わりました。参加いただいた皆さんの日常生活改善に実際に結びつければ嬉しく思います。