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2019年度 医学研セミナー

情報統合の場としての嗅皮質の役割

− この都医学研セミナーは終了しました。 −

演者 眞部 寛之
同志社大学脳科学研究科(准教授)
会場 東京都医学総合研究所 2BC会議室
日時 2020年1月29日(水)16:00〜
世話人 岡戸 晴生
神経細胞分化プロジェクトリーダー
参加自由 詳細は下記問合せ先まで
お問い合わせ 研究推進課 普及広報係
電話 03-5316-3109

講演要旨

嗅覚情報処理の研究は、1991年の嗅覚受容体の発見以後急速に発展し、嗅覚受容体を発現する嗅上皮や1次中枢である嗅球での情報処理の基本ロジックが明らかとなってきた。しかし、嗅球からの情報が統合される嗅皮質が持つ機能はほとんどわかっていない。

げっ歯類において、嗅皮質は脳底の大部分を占める広大な領域であり、解剖学的に多くの亜領域に分類される。これらは、嗅球から直接入力を受ける他、互いに強く相互連絡している。また、前頭皮質などからのトップダウン入力を受ける。よって、嗅皮質では高度な情報統合機構が存在していると予想される。

そこで我々は、マウス/ラットが嗅覚課題を行っている時、嗅皮質亜領域の活動様式をひとつずつ詳細に調べることで、その機能差と連合様式を明らかにしようと研究を進めてきた。その中で、これまで多くの研究者が注目してきた、嗅皮質における匂い情報処理に着目をするのではなく、トップダウン入力などの匂い情報以外の情報に着目することで、嗅皮質の新たな機能と、情報統合様式を見出した。本セミナーでは、我々の最近のデータを紹介し議論を深めたい。

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