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2019年度 医学研セミナー

合成生物学;生命の部品を組み合わせることによる理学と工学

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演者 木賀 大介
早稲田大学(教授)
会場 東京都医学総合研究所 2BC会議室
日時 2019年7月3日(水) 16:00〜
世話人 副所長 齊藤 実
参加自由 詳細は下記問合せ先まで
お問い合わせ 研究推進課 普及広報係
電話 03-5316-3109

講演要旨

種々の生物のゲノム配列などの生命情報の蓄積と、DNAなどの生体高分子合成手段の進展により、生体高分子を試験管内や細胞内に組み合わせることを研究手段とする、合成生物学が広まってきている。その結果得られる改変細胞や人工細胞により、種々の物質の効率的な生産が期待されるだけでなく、プロバイオティクスを拡張した医療応用も計画されている。このような応用面での期待から、米国での新産業創出など合成生物学が注目を集めることが多いが、本講演では、合成生物学の応用と併せ、その理学的な意義についても解説する。すなわち、合成生物学が目指すものは、天体観測から物理学が、錬金術から化学が発展してきたように、数理モデルに基づいた生命システムの設計と理解に焦点を当てることで「生物学を、博物学から物理学や化学と同様の自然科学に転換する」ことにある。また、合成生物学は、「ありえた生命をつくることで生命の歴史の一回性に挑む」という、新たな科学的視点も人類にもたらしている。例えば、リボソームでのタンパク質合成に用いられるアミノ酸の種類が20種類であることは、ほとんどの生物に共通していたが故に、「普遍」遺伝暗号という語が使われている。一方、我々を含む合成生物学の諸研究により、アミノ酸の種類が増減した種々の遺伝暗号が作成されたことから、この20という数は偶然凍結された、というクリックの説が強まっている。さらに、改変遺伝暗号を使用した進化分子工学により、タンパク質製剤の高度化が可能となっていることを紹介したい。


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