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2019年度 医学研セミナー

哺乳類の冬眠の謎に迫る〜冬眠モデル動物シリアンハムスターからのアプローチ

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演者 山口 良文
北海道大学 低温科学研究所 冬眠代謝生理発達部門(教授)
会場 東京都医学総合研究所 2階講堂
日時 2020年2月6日(木) 16:00〜
世話人 七田 崇
脳卒中ルネサンスプロジェクトリーダー
参加自由 詳細は下記問合せ先まで
お問い合わせ 研究推進課 普及広報係
電話 03-5316-3109

講演要旨

哺乳類の冬眠は、飢餓・寒冷等の苛酷な環境を、代謝を能動的に抑制した低体温状態で乗り切る生命現象である。哺乳類の多くは低体温での生存は不可能なため冬眠できないが、一部の哺乳類は10ºC以下という極端な低体温下での長期生存が可能である。こうした冬眠を可能とする性質の中でも、低体温耐性、虚血再灌流耐性、貯蔵脂肪の有効活用、廃用筋萎縮耐性、冬仕様の脳、等は、医学応用の観点からも興味深いが、その仕組みは殆ど解明されていない。私たちは、哺乳類の冬眠の分子機構解明を目指し、実験室での飼育と冬眠誘導が比較的容易なシリアンハムスターを冬眠モデル動物として研究を行っている。シリアンハムスターは、寒冷短日環境に長期間さらされると体が「夏仕様」から「冬仕様」へと変化し冬眠を行う。私たちはこれまでに「冬仕様」のシリアンハムスターの体では、基礎体温と体重セットポイントの変更、白色脂肪と骨格筋のリモデリング等が生じることを見出した。本セミナーでは、これらの知見について、哺乳類の冬眠の基礎知識の解説とともに紹介する。

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