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開催報告

平成30年度 第2回 都医学研都民講座 (平成30年6月8日開催)
糖尿病による足のトラブルとフットケア-足は健康の源-

糖尿病性神経障害プロジェクトリーダー三五 一憲

会場:一橋講堂

会場:一橋講堂

交通事故などの外傷を除くと、足を失う原因で最も多いのは糖尿病です。そこで今回の都民講座では、糖尿病による足のトラブルをテーマに取り上げました。

はじめに私が「糖尿病足病変の発症メカニズム」というテーマでお話ししました。動脈硬化による足への血流減少や感染に対する抵抗力の低下とともに、末梢神経障害の進行(感覚神経障害による傷やヤケド発見の遅れ、自律神経障害による足の発汗低下、運動神経障害による足や足指の変形など)が足病変の悪化を招きます。最悪の場合は壊疽(えそ、足が腐る)に陥り、切断を余儀なくされます。さらに神経障害の発症メカニズムについて、最近の研究成果を紹介しながら解説しました。

続いて、京都医療センター・WHO糖尿病協力センター長の河野茂夫先生に「糖尿病から足を守る-フットケアの重要性-」というテーマでご講演を賜りました。河野先生は我が国のみならず、東南アジアをはじめとする世界各国で糖尿病足病変の診断・治療に携わってこられた足のスペシャリストです。患者さん自身の自己管理に加え、内科、血管外科、皮膚科など複数診療科の各専門職協同によるチーム医療が足切断を回避するために欠かせないことや、予防としてのフットケアが糖尿病患者の健康寿命を伸ばす上で重要であることを、動画を交えながらわかりやすく解説して下さいました。最後にフットケアのポイントとして、自分の足をよく観察し清潔に保つこと、お風呂やこたつでヤケドを起こさないよう注意すること、足に合った靴を履くことなどの重要性をご教示下さいました。

左:三五一憲研究員 右:河野茂夫先生

左:三五 一憲研究員    右:河野 茂夫先生

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