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Jul. 2015 No.018
特許法の制定された4月18日を含む一週間を「科学技術週間」として、科学技術を身近に感じてもらう行事が全国的に開かれています。東京都では小中学生を対象に「Tokyoふしぎ祭(サイ)エンス」と名付けたイベントを毎年行っています。今年は18、19日の2日間、首都大学東京や都立研究機関などが中心となり、お台場にある「日本科学未来館」で開催されました。東京都医学総合研究所では、「君と僕を区別するものー遺伝子DNA」と題し、3つの企画を行いました。
<見てみよう>として「君にはDNAが見えたかな?」のコーナーでは、タラの白子からDNAを抽出する実験に挑戦しました。最後にアルコールを加えDNAの線維が現れると、子供たちの不安げな顔が一瞬で得意そうな満面の笑みに変わりました。
<調べてみよう>として「のぞいてみよう! アレルギーの世界!!」のコーナーでは、私たちの身体を守ってくれる免疫細胞を実際に染色して顕微鏡で観察しました。また、アレルギーの原因となるスギ花粉が水にふれてふくらむ様子や生きてうごめくダニをその目で確認しました。日常、目に見えない顕微鏡下の微小世界に、みんなが驚き感動しました。
<作ってみよう>として「遺伝子ってなぁに? DNAのひみつ」のコーナーでは、研究員から親子の遺伝のしくみをやさしく解説してもらい、その後「DNAストラップ工作」に取り組みました。DNA塩基が対を作って二重らせんを構成する原理にしたがって、小さなカラービーズを材料にして細かい作業に集中しました。完成したキラキラ輝くストラップは、自慢のお土産となりました。
これらのイベントは毎回30分~50分程度、一日4〜6回、2日間にわたって行われるハードなスケジュールです。また、対象の小中学生に如何に簡単に理解して体験してもらうか、周到な事前の工夫が必要です。今回、担当した研究所スタッフや特別に協力をいただいた多くのリサーチアシスタントの大奮闘で成功裏に終わり、当研究所ブースへの来場者は延べ600名を越えることができました。
基盤技術研究センター 山本 明広