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April 2018 No.029
生体分子先端研究分野長原 孝彦
7年前の都医学研開所以来、生体分子先端研究分野の分野長を務めていた反町洋之カルパインプロジェクトリーダーが、2018年1月6日の夕刻に逝去された。享年54歳であった。病気と闘いながらも、昨年のクリスマスまで研究室に来られていたので、ただただ無念である。私と反町先生とは、東大分生研在籍時からの知人であり、臨床研・都医学研では同じプロジェクトリーダーとして苦楽を共にしてきた。
鈴木紘一先生の一番弟子として、カルパイン研究を大きく発展させた。数多いカルパインファミリー遺伝子のノックアウトマウスを次々と作出し、生理的機能をひとつひとつ丹念に解明した。生化学者として、カルパインのユニークな酵素学的特性を明らかにした。そして、カルパインの基質になるタンパク質をサーチできる世界初のポータルサイトを開設した。
物腰が低く、誰に対してもフレンドリーであった。所内の懇親会にはすべて出席し、所長・副所長・事務局長から学生さんに至るまで、実に多くの方々と楽しく会話していた。大のワイン好きだった。美味しいワインを飲んだときの至福の笑顔が今も思い浮かぶ。その一方で、分野長の仕事を夜中まで粛々とこなしていた。写真は、昨年7月のランチョンセミナーの司会をしていたときのものである。これが公の場としては、最後になってしまった。
ご冥福を心からお祈りする。安らかにお眠りください。