2017年1月9日
米国科学誌「Molecular and Cellular Biology」に松本清治主任研究員らが「Mrc1とHsk1との結合を介したチェックポイント非依存的複製開始調節機構」について発表しました。
2017年1月9日にMCBのサイトにオンライン掲載されました。
http://mcb.asm.org/gca?allch=citmgr&submit=Go&gca=mcb%3BMCB.00355-16v1
Mrc1は複製チェックポイントのメディエイターとして単離され、チェックポイント機能に依存して後期複製起点からの複製開始を制御(抑制)することが知られている。私たちは、Mrc1はチェックポイント非依存的に初期複製起点からの複製を制御することを見出し以前に報告した(Hayano et al. [2011]; Matsumoto et al. [2011])が、そのメカニズムは不明であった。今回私たちはMrc1は分子内相互作用を介してその分子形態を変化させ、複製開始のブレーキのon/offをすることを発見した。分子内相互作用に関与するHBSと名付けた領域には分裂酵母Cdc7キナーゼホモログであるHsk1が結合し、Mrc1のN端領域のリン酸化を介し分子内相互作用を解除しMrc1のブレーキを解除させる。このMrc1の分子内相互作用とそれによる分子形態変化を介したブレーキメカニズムは、チェックポイント非依存的な初期複製起点の選択と複製開始タイミングの制御に重要な役割を果たしていると考えられる。