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特集

「お茶の水女子大学-東京都医学総合研究所 連携・協力に関する協定締結記念キックオフシンポジウム」を開催

所長正井 久雄

Masai photo

当研究所では、15の大学と連携大学院協定を締結しており、6月初め現在、99名の学部学生、大学院学生が研修生として日々研究を行っています。東京医師アカデミーに属するレジデントなど医師の方も、これらの連携大学院に入学し、研究員の指導の元、研修生として学位取得を目指した研究を行っています。研究所の多くの研究員が、これらの研修生の研究指導を行うとともに、連携大学院の教員として、それぞれが所属する大学で、講義などを通じて、教育活動に貢献しています。研修生の中には、外国からの留学生もおられます。また、最近は、外国人大学院生が短期のinternship 研修を研究所で行う例も増えており、研修生メンバーの多様性も増加しています。4月から5月にかけて3回にわたり on line で、研究所連携大学院説明会を行い、のべ80 名以上の学生さんが参加しました。今後も、益々多くの研修生が、当研究所の最新の研究設備を用いて、研究所で最先端の研究を遂行し、目覚ましい成果をあげ、世界に羽ばたいて欲しいと願っています。

お茶の水女子大学(以下、「お茶の水大」)も、連携大学院の一つですが、3月2日(水曜日)、当研究所では、お茶の水大 - 東京都医学総合研究所 連携・協力に関する協定締結記念キックオフシンポジウムをお茶の水大と共催でオンライン方式で開催しました。お茶の水大と当研究所は、相互の人材や研究基盤を活かして総合力を発揮し、広く科学技術の発展に寄与するため、昨年7月30日に、連携・協力に関する協定を締結いたしました。今回、協定の締結を記念し、両機関がお互いに相互理解を深め、今後の相互の教育研究活動の発展を目指したいと考え、キックオフシンポジウムを企画しました。開会挨拶の後、当研究所田中理事長及びお茶の水大の佐々木泰子学長からのご挨拶、来賓挨拶として、東京都福祉保健局事業推進担当の渋谷恵美部長(現地域保健担当部長)及び文部科学省産業連携・地域振興課の井上睦子課長よりご挨拶いただきました。佐々木学長からは、お茶の水大における、「グローバル女性リーダー育成研究機構」を通じた女性リーダー育成、「ヒューマンライフイノベーション開発研究機構」や「人間発達教育科学研究所」を通じた、人間の心身の健康と生活環境の向上を目指した研究の取り組みのご紹介、そして科学技術のみでなく哲学、歴史など人文社会学を含む『総合知』の育成が重要であるというお話しを承りました。

続いて、当研究所からは私と、お茶の水大の太田裕治副学長から各機関の紹介を行いました。その後、両機関の研究について講演を行いました。まず、お茶の水大から、基幹研究院自然科学系の佐藤敦子准教授より、「未来発生進化学:環境は生物の未来をどう変えるのか?」、続いて、同じく基幹研究院自然科学系の飯田薫子教授より、「ミトコンドリア機能低下と疾患;栄養代謝の視点から」と題してお話しいただきました。続いて、当研究所から、難病ケア看護ユニットの中山優季ユニットリーダーより、「筋萎縮性側索硬化症(ALS)における意思伝達維持を目指した集学的研究」、脳神経回路形成プロジェクトの丸山千秋プロジェクトリーダーより、「脳発生学研究にたどり着くまで」と題し講演いたしました。

その後、当研究所で研究しているお茶の水大の学生が、当研究所で研究を行うことになった経緯や研究生活、研究内容等を紹介しました。人間文化創成科学研究科修士課程2年(現在同博士課程1年)のThi Ngo To Trinh さんと、理学部生物学科4 年(現在同修士課程1 年)の高瀬未菜さんから、当研究所で研究を行うことになった経緯、研究所での研究生活、今後の抱負などについて話していただきました。

現在、当研究所は、お茶の水大の人間文化創成科学研究科と連携大学院協定を提携しており、お茶の水大から、学部、修士、博士の学生さんが研修生として日々研究を行なっておられます。今後、連携大学院のみでなく、より広いレベルで、両機関間の教育・研究上での協力、施設・研究設備の共有などを通じて、幅広い分野での人材の創出、社会への貢献を目指したいと思います。

中山ユニットリーダー、高瀬 未菜さん、Thi Ngo To Trinh さん
左から、中山ユニットリーダー、高瀬 未菜さん、Thi Ngo To Trinh さん
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