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開催報告

第37回 サイエンスカフェ in 上北沢(2021年8月7日 開催)
「ゲノム配列を、みる」

ゲノム医学研究センター 研修生四方 達也

ゲノム医学研究センター 副センター長川路 英哉

ゲノム(genome)とは、ある個体が持つすべての遺伝情報を表す言葉であり、その実体は約30億のDNA塩基対の並び(配列)です。ヒトの身体を構成するタンパク質の合成には、ゲノムの一部である遺伝子領域が設計図として利用されますので、お酒に対する強さや疾患リスクといった私たちの生物学的特徴と、ゲノムは密接に関連しています。ゲノム医療、という言葉もマスメディアに頻繁に登場するようになりましたので、これらの言葉を耳にしたことのある方、内容をきちんと理解している方も少なくないと思います。ただ、その塩基配列を実際に目にしたことのある方は意外と少ないのではないでしょうか。

今回のサイエンスカフェ「ゲノム配列を、みる」では、そのゲノムDNAの塩基配列を実際に目にすることを主眼として開催しました。新型コロナウイルス感染症対策のためオンラインでの開催となりましたが、カリフォルニア大学サンタクルス校で開発・維持されており、川路も少し運営を手伝っているデータベース (UCSCゲノムブラウザ・データベース)の利用法を学んだ上で、タンパク質の設計図にあたる部分のゲノム塩基配列を閲覧するなどの演習を行いました。研究者が日常的に利用しているデータベースのため難しいところもあったと思いますが、みなさん最後までついてきてくれました。当センターのスタッフ4名が回答しても追いつかないほどたくさんの質問や、「将来の夢は研究者なので良い機会になった」「学校で習ったことが実感できて興奮した」といったアンケート回答もいただき、馴染みの少ないヒトゲノムを楽しみながら体感したり、知識を深めたりする一助となれたことを大変うれしく思います。

左から川路副センター長・吉沢研究員・原研究員・大保木研究員・四方研修生

左から川路副センター長・吉沢研究員・原研究員・大保木研究員・四方研修生

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