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演者 | 浅野 桂 カンザス州立大学生物学科(教授) |
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会場 | 東京都医学総合研究所 2階講堂 |
日時 | 2019年6月24日(月) 16:00〜 |
世話人 | 所長 正井 久雄 |
参加自由 | 詳細は下記問合せ先まで |
お問い合わせ |
研究推進課 普及広報係 電話 03-5316-3109 |
リボソームによる翻訳の開始コドンはAUGだが、GUGやCUGなど非AUG開始コドンからの翻訳開始が最近注目されている。真核生物では非AUGコドンからの開始は通常は高くないが、翻訳開始因子のバランスが崩れると高まる。これを防ぐために真核生物には5MPと呼ばれる調節因子が存在する。5MPは癌化を促す因子として幾つかの種類の癌で発現が亢進する。非AUG開始コドンは癌抑制遺伝子や癌原性遺伝子の翻訳開始にも使われており、非AUG開始コドンが癌化とその抑制にどう関連するのかに高い関心が寄せられている。ここでは大腸癌を例に、5MP1遺伝子を含む染色体7pの増幅がcMyc遺伝子翻訳のリプログラムを通じて細胞周期を速めるメカニズムについて報告する。さらに演者らの共同研究により、カプシドの翻訳開始にACGコドンを使うアデノ随伴ウィルスで5MPがその複製蛋白質と相互作用する事が明らかになった。これらの研究から生物学的な広がりを見せつつある5MPによる非AUG開始コドンの翻訳制御について考察したい。