| 演者 | 稲城 玲子 東京大学大学院医学系研究科 CKD病態生理学講座 特任教授 |
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| 会場 | 対面式(講堂) |
| 日時 | 2026年2月6日(金曜日)15:30~16:30 |
| 世話人 | 新井 誠 統合失調症プロジェクト |
| 参加方法 | 詳細は事前に下記問合せ先までご連絡ください |
| お問い合わせ |
研究推進課 普及広報係 電話 03-5316-3109 |
腎臓病の患者数は世界で8億5千万人以上にのぼり、2040年には早期死亡損失(Years of life lost; YLL)の主要因として第5位に達すると予測される。日本でも成人約8人に1人(約1,330万人)が慢性腎臓病(CKD)を有し、心血管疾患やフレイルの重要なリスク因子としてQOLと生産性を低下させる。さらに腎臓を核とする臓器連関の破綻は全身恒常性、ひいては老化とも密接に関わる。近年、SGLT2阻害薬や補体阻害薬などの臨床試験の成功と、単一細胞・空間解析を含むマルチオミクスの進展により、腎障害の根底に代謝リプログラミング、脂質恒常性破綻、オルガネラストレスが階層的に結び付くことが明らかになってきた。
我々はこれまでに、小胞体ストレスシグナル(Unfolded Protein Response; UPR)破綻が様々な腎病態(糸球体、尿細管障害)に関与することを報告してきた。さらに近年、ER–ミトコンドリア/ER–リソソームなどのオルガネラコンタクトサイトの異常が、糸球体・尿細管のオルガネラの機能低下、ひいては炎症・線維化と代謝変容を惹起することを明らかにした。
本講演では、腎–神経–免疫連関を含む臓器連関の視点も交え、オルガネラストレス/オルガネラ間コミュニケーションから捉えた腎臓病の病態生理について、我々の最新知見を総括する。さらにその知見を踏まえて、今後の腎臓病診断・治療戦略の展開を議論する。