| 演者 | 藤井 順逸 山形大学医学部 名誉教授・非常勤講師 |
|---|---|
| 会場 | 対面式(講堂) |
| 日時 | 2026 年2月18日(水曜日)15:30~16:30 |
| 世話人 | 新井 誠 統合失調症プロジェクト |
| 参加方法 | 詳細は事前に下記問合せ先までご連絡ください |
| お問い合わせ |
研究推進課 普及広報係 電話 03-5316-3109 |
酸化還元反応は生命活動を支える代謝系において基本的な役割を果たすが、反応過程で不可避的に生じるラジカルに由来する不対電子は好ましくない副反応をもたらし、それが炎症性疾患や老化などに伴う健康障害に関係すると考えられている。臓器障害に関わる細胞死の多くはアポトーシスとされ、活性酸素による細胞死についてもアポトーシス経路との関連で論じられることが多かった。近年になって、酸化ストレスによる細胞死では、遊離鉄が関与するフェロトーシスの寄与が大きい事が分かってきた。アポトーシスの場合には、細胞死を実行するカスパーゼが前駆体として存在し、刺激を受けると活性化されて速やかに細胞死を誘導する。それに対して、通常は抗酸化物質や還元酵素系が、代謝に伴って生成するラジカルや過酸化物から細胞を護っているが、そうした防御系の破綻や鉄の遊離などによりフェロトーシスが起こると考えられる。
これまで我々は、代表的な抗酸化物質であるグルタチオンおよびアスコルビン酸(ビタミン C)と、スーパーオキシドの不均化 (SOD)と過酸化物の還元(グルタチオンペルオキシダーゼ・ペルオキシレドキシンなど)を行う抗酸化酵素の役割について、遺伝子改変マウスを用いて病態生理ならびに代謝的制御の観点から検討を行ってきた。本セミナーでは、酸化ストレス関連細胞死と、細胞生存に果たすこうした抗酸化物質と抗酸化酵素系の連携についてご紹介させていただきたい。