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日本人参照ゲノムの高精度化とAI活用による希少疾患解析の進展

演者 高山 順
東北大学大学院医学系研究科 AIフロンティア新医療創生分野
准教授
会場 ハイブリッド(講堂+Zoom)
日時 2026 年2月26日(木曜日)15:00~16:30
世話人 宮岡 佑一郎
再生医療プロジェクト
参加方法 詳細は事前に下記問合せ先までご連絡ください
お問い合わせ 研究推進課 普及広報係
電話 03-5316-3109

講演要旨

明らかな遺伝性が疑われる患児に対し全ゲノム解析を行っても、原因バリアントを同定できるのは現状4割程度にとどまる。この課題を解決するため、我々は日本人ゲノム解析の高精度化とAI活用の研究を推進してきた。

まず着目したのは、解析の基盤となる国際参照ゲノム配列GRCh38の問題である。GRCh38はヒトゲノム計画に由来し、複数人のゲノムをつなぎ合わせたいわばパッチワーク構造をとる。そのため、特定の個人が偶発的に保有していたバリアントが参照配列として採用されていたり、アジア系祖先に由来する配列がわずか5%程度であったりと、日本人解析においては不都合なバイアスが含まれていた。

そこで我々は、PacBioやONTナノポアといったロングリード技術を駆使し、日本人3名のゲノム配列をデノボアセンブリした。その上で多数決アルゴリズムを用いて集団内の多数派アリルを採用することで、独自の日本人参照ゲノム配列JGシリーズ(JG1, JG2)を構築し、最新のJG3においてはほぼTelomere-to-Telomere(T2T)アセンブリを達成するに至った。これにより、日本人全ゲノムデータのマッピング効率は最大化され、祖先差に起因する偽陽性バリアントの大幅な削減に成功した。

加えて、この解析基盤を用いて希少難病家系を解析する国内共同研究ネットワークを構築し、これまでに約1,500の親子トリオ家系の解析を行った。その際、最大のボトルネックとなるバリアント解釈にAI解析を導入することで、診断率は50%にまで向上した。本講演では、これらの活動の概要と最新の成果について報告したい。