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開催報告

2021年度 第5回 都医学研都民講座(2021年10月21日 開催)
「病原体の感染のしくみ -新型コロナウイルスとクラミジアを例に-」

細胞膜研究室長笠原 浩二

10月21日(木曜日)、「病原体の感染のしくみ ‐新型コロナウイルスとクラミジアを例に‐」と題して、2021年度第5回都医学研都民講座をオンライン方式で開催しました。今回は、国立感染症研究所品質保証・管理部主任研究官の花田賢太郎先生を講師にお迎えしました。

まず私から、「新型コロナウイルスなどの病原体の感染のしくみ」と題して、新型コロナウイルス表面に存在するスパイクタンパク質が受容体に結合することにより感染するしくみについてお話ししました。また現在使われているワクチンの開発、さらに治療薬の作用機序について解説しました。

続いて花田先生から、「ヒト細胞の作る脂質を病原体が盗み取る仕組み:クラミジアによるセラミド輸送タンパク質ハイジャックを例に」と題して、前半は新型コロナウイルスのmRNAワクチンについて、後半はクラミジアの感染のしくみについてお話しいただきました。mRNAワクチンは、体内に注射すると炎症反応が出てしまい実用化は不可能でしたが、ウリジンを修飾することによって炎症を回避できるようになったこと。また、mRNAを脂質人工粒子に内包させ安定性を保持して注射できるようになったことにより、実用化できたことについて解説していただきました。また、クラミジアが感染する際に、セラミド輸送タンパク質をハイジャックし、セラミドを人体から盗み取ることにより増殖するしくみについてお話しいただきました。

笠原室長

笠原室長

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