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平成30年度 医学研セミナー

ショウジョウバエの記憶を作るvalence特異的神経回路

− この都医学研セミナーは終了しました。 −

演者 多羽田哲也
東京大学定量生命科学研究所(教授)
会場 東京都医学総合研究所 2BC会議室
日時 平成30年7月17日(火)16:00~
世話人 齊藤 実 参事研究員 (学習記憶プロジェクトリーダー)
参加自由 詳細は下記問合せ先まで
お問い合わせ 研究推進課 普及広報係
電話 03-5316-3109

講演要旨

ショウジョウバエの罰/報酬記憶形成におけるCREB応答細胞の機能を探った。匂い記憶の形成の場とされるキノコ体・内在神経であるKCs(3次嗅覚神経)の𝛾細胞群はCREでラベルされる細胞(CRE-p)とラベルされない細胞(CRE-n)に2分される。2時間罰記憶の獲得、固定、想起、すべての過程にCRE-pが必要であり、CRE-nは阻害的に働くこと、逆に、報酬記憶では獲得、固定、想起、すべての過程にCRE-nが必要であり、CRE-pは阻害的に働くことを明らかにした。この回路のさらに下流を明らかにすべく、KCsのoutput神経(MBON)の機能を調べた。その結果、𝛾5MBONはCRE-pと同様に2時間罰記憶の獲得、固定、想起、すべての過程に必要であった。また𝛾2MBONはCRE-nと同様に2時間報酬記憶の獲得、固定、想起、すべての過程に必要であった。CRE-nとCRE-pは相互抑制しているようであり、機能イメージングの結果もこの事をサポートしている。以前から記憶の獲得にはvalence特異的なドーパミン作動性神経群が必要であることが知られていたが、記憶固定(保持)においては、これらドーパミン作動性神経群が“抑制的”に作用することを見出した。CRE-nとCRE-pはこれらを脱抑制して記憶を保持する機能を持つことが示唆された。現在、この回路機能を探っている。

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