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小脳プルキンエ細胞における入出力信号の修飾機構

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演者 廣野 守俊
同志社大学 研究開発推進機構(准教授)
会場 東京都医学総合研究所 2階講堂
日時 平成30年9月10日(月)16:00~
世話人 筧 慎治 (運動・感覚システム研究分野 運動障害プロジェクト)
参加自由 詳細は下記問合せ先まで
お問い合わせ 研究推進課 普及広報係
電話 03-5316-3109

講演要旨

ニューロンを包み込む細胞外マトリックスはペリニューロナルネット (perineuronal net: PNN)とよばれ、臨界期の形成や記憶の長期的な維持にかかわることが知られている。また脳梗塞や脊髄損傷からの回復過程や精神神経疾患にかかわる重要な構造物と考えられている。運動学習を担う小脳ではプルキンエ細胞の出力先であるルガロ細胞や小脳核ニューロンがPNNを高密度に形成するものの、その生理学的役割は不明であった。そこで小脳スライス標本からPNNを除去し、プルキンエ細胞―小脳核ニューロン間の抑制性シナプス伝達を電気生理学的に解析したところGABA放出が促進されることが分かった。また小脳中位核のPNNを除去したマウスでは瞬目反射条件づけの学習効率が高くなることが分かった。ゆえに小脳核ニューロンに形成されるPNNは、プレシナプスからのGABA放出を低下させ、新たな小脳運動学習を制限する可能性が示唆された。一方、ランビエ絞輪の細胞外マトリックスはチャネル分布に影響する可能性が示唆されている。プルキンエ細胞のこの部位に着目したところ、BKチャネルがランビエ絞輪近傍(パラノード)に発現し、活動電位伝播の忠実性(fidelity)に寄与することが分かった。またこれまでプルキンエ細胞への入力信号が種々の段階でイノシトールリン酸によって修飾されることを薬理学的に明らかにしてきたので紹介する予定である。

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