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演者 | 須原 哲也 国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構 放射線医学総合研究所 脳機能メージング研究部(部長) |
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会場 | 東京都医学総合研究所 2階講堂 |
日時 | 平成31年3月15日(金) 17:00〜 |
世話人 | 長谷川 成人 認知症プロジェクトリーダー |
参加自由 | 詳細は下記問合せ先まで |
お問い合わせ |
研究推進課 普及広報係 電話 03-5316-3109 |
精神・神経疾患の診断は臨床症状や神経学的症候によって行われてきたが、近年脳内の分子の変化を直接捉えるイメージング技術が大きな役割を果たすようになってきている。特に神経変性疾患で脳内に蓄積する異常たんぱくに関しては、アミロイドイメージング剤やタウイメージング剤が開発されており、それらによって異常たんぱく蓄積の経時的変化や、多様なタウオパシーの特徴的なタウタンパクの脳内集積パターンが明らかになりつつある。一方で精神疾患においては、指針症状の発現メカニズムがまだ十分解明されていないが、現在は神経伝達物質を含む脳内の神経回路の機能に障害があることが想定されている。このような観点から近年開発された化学遺伝学的手法(DREADD)は、人工受容体を発現させた神経細胞をCNOや我々が開発したDCZという薬物を用いて神経活動を制御することができる手法で、脳内で発現している状態をPETで可視化することもできる。PETイメージング技術は小動物からヒトまで創薬ターゲットを直接可視化できることから、今後の精神・神経疾患の研究へのさらなる展開が期待される。