2017年4月25日
「Nucleic Acids Research」 on-line版に高井裕子主席研究員が 「マウスMcm2〜7ヘテロヘキサマー複合体は強力なDNA鎖のアニーリング活性を有する 」 について発表しました。
真核生物DNA複製において、Mcm2〜7ヘテロヘキサマーは、Mcm2〜7-Cdc45-GINS(CMG)ヘリカーゼ複合体の中心因子として、二本鎖DNAの巻き戻しに貢献する。しかし、通常のアッセイ条件下では、Mcm2〜7複合体には、ヘリカーゼ活性が検出されない。今回、私たちは精製されたマウスMcm2-7複合体に、強力なDNAアニーリング活性(1本鎖DNAの相補鎖を会合させて、二本鎖DNAを形成する活性)を持つことを発見した。今回の発見は、Mcm2〜7のDNAヘリカーゼ活性は、その強力なアニーリング活性によってマスクされ、これまで検出されなかった可能性、及び、複製フォーク停止時に生じる一本鎖DNAをMcmのアニーリング活性が二本鎖へと戻す反応を触媒し、複製フォークの安定化に寄与する可能性を示唆する。