2022年5月18日
「Kidney International」に糖尿病性神経障害プロジェクトの八子英司研究員らが「ROCK1が脂肪酸代謝を介して糖尿病性腎臓病の発症を制御する」について発表しました。
糖尿病性神経障害プロジェクトの八子英司主任研究員、三五一憲プロジェクトリーダーらは、東京慈恵会医科大学・糖尿病・代謝・内分泌内科の西村理明教授、的場圭一郎講師らとの共同研究により、糖尿病性腎臓病で生じるミトコンドリア機能の破綻と脂肪酸代謝にRho-associated, coiled-coil–containing protein kinase 1 (ROCK1)が関与することを発表しました。糖尿病性腎臓病で発現が亢進するROCKのアクチベーターであるTGF-βにより、正常(野生型)ではミトコンドリアの基礎呼吸量、ATP産生、最大呼吸量は減少しましたが、ROCK1欠損下では改善しました。これらのことから、ROCK1に着目した糖尿病性腎臓病治療薬の開発が期待されます。八子研究員らは培養メサンギウム細胞を用いたミトコンドリア機能の解析を行いました。研究成果は、2022年5月18日に「Kidney International」にオンライン掲載されました。