東京都医学総合研究所のTopics(研究成果や受賞等)

2022 2021 2020 2019 2018 2017 2016 2015 2014

2022年5月18日
「Kidney International」に糖尿病性神経障害プロジェクトの八子英司研究員らが「ROCK1が脂肪酸代謝を介して糖尿病性腎臓病の発症を制御する」について発表しました。

ROCK1が脂肪酸代謝を介して糖尿病性腎臓病の発症を制御する

糖尿病性神経障害プロジェクトの八子英司主任研究員、三五一憲プロジェクトリーダーらは、東京慈恵会医科大学・糖尿病・代謝・内分泌内科の西村理明教授、的場圭一郎講師らとの共同研究により、糖尿病性腎臓病で生じるミトコンドリア機能の破綻と脂肪酸代謝にRho-associated, coiled-coil–containing protein kinase 1 (ROCK1)が関与することを発表しました。糖尿病性腎臓病で発現が亢進するROCKのアクチベーターであるTGF-βにより、正常(野生型)ではミトコンドリアの基礎呼吸量、ATP産生、最大呼吸量は減少しましたが、ROCK1欠損下では改善しました。これらのことから、ROCK1に着目した糖尿病性腎臓病治療薬の開発が期待されます。八子研究員らは培養メサンギウム細胞を用いたミトコンドリア機能の解析を行いました。研究成果は、2022年5月18日に「Kidney International」にオンライン掲載されました。

<論文名>
“Rho-associated, coiled-coil–containing protein kinase 1 regulates development of diabetic kidney disease via modulation of fatty acid metabolism”
<発表雑誌>
Kidney International
DOI:https://doi.org/10.1016/j.kint.2022.04.021
URL:https://www.kidney-international.org/article/S0085-2538(22)00370-2/fulltext
ROCK1を介した糖尿病性腎臓病のメカニズム
ROCK1を介した糖尿病性腎臓病のメカニズム
糖尿病環境下で発現が亢進するTGF-βシグナルにより、メサンギウム細胞のROCK1活性化を介してAMPKが抑制される。これらのことにより、PGC-1α発現が減少することで、 PGC1αに制御される脂肪酸酸化酵素遺伝子 (FAO-related genes)の発現が減少する。その結果、ミトコンドリア代謝異常によるATP産生が減少し、ミトコンドリア機能障害が引き起こされる。

2022 2021 2020 2019 2018 2017 2016 2015 2014