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平成28年度 医学研セミナー

神経変性疾患に対する蛋白質ミスフォールディング・凝集を標的とした治療戦略

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演者 永井 義隆
大阪大学大学院医学系研究科・神経難病認知症探索治療学寄附講座 教授
会場 東京都医学総合研究所 2階講堂
日時 平成29年1月30日(月)16:00~17:00
世話人 三五 一憲 (運動・感覚システム研究分野 副参事研究員)
参加自由 詳細は下記問合せ先まで
お問い合わせ 研究推進課 普及広報係
電話(03)5316-3109

講演要旨

近年、アルツハイマー病、パーキンソン病、ポリグルタミン(PolyQ)病などの多くの神経変性疾患において、いずれも原因蛋白質のミスフォールディング・凝集が神経変性を引き起こすという共通の発症分子メカニズムが考えられるようになった。PolyQ病は、様々な原因蛋白質内のポリグルタミン鎖の異常伸長(>40)により発症するハンチントン病、種々の脊髄小脳失調症など9疾患の総称で、異常伸長PolyQ鎖を持つ変異蛋白質がミスフォールディング・凝集を生じて神経変性を引き起こす。私たちは、神経変性疾患の病態カスケードの最も上流に位置する蛋白質ミスフォールディング・凝集を治療標的として、1)異常伸長PolyQ鎖結合ペプチドQBP1による蛋白質凝集阻害、2)PolyQ凝集阻害化合物のスクリーニング、3)分子シャペロンによる蛋白質ミスフォールディング抑制、4)ミスフォールド蛋白質の分解促進、という4つのアプローチで治療法開発研究を行っている。一方、5)食事、運動、睡眠などのライフスタイル環境要因も、病態に関わっていることが示唆されている。本講演では、臨床神経学を発端として、分子遺伝学・生物学から構造生物学、ケミカルバイオロジー、ショウジョウバエ・マウス・マーモセットなど様々な疾患動物モデルを駆使した、私たちの神経変性疾患に対する治療戦略を紹介する。

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