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演者 |
海田 賢一 防衛医科大学校内科学講座 神経・抗加齢血管内科 准教授 |
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会場 | 東京都医学総合研究所 2階講堂 |
日時 | 平成29年2月8日(水)16:00~17:00 |
世話人 | 三五 一憲 (運動・感覚システム研究分野 副参事研究員) |
参加自由 | 詳細は下記問合せ先まで |
お問い合わせ |
研究推進課 普及広報係 電話(03)5316-3109 |
神経疾患において自己抗体の同定は、病態機序の解明につながるだけではなく免疫療法を施行する根拠となりうる。治療しうる神経難病である免疫性ニューロパチーにおいても様々な自己抗体が同定されているが、病的意義および産生機序が明らかにされている抗体は少ない。急性免疫性ニューロパチーであるギラン・バレー症候群では60%に糖脂質に対する抗体が陽性であり、抗体の種類と神経症候に一定の相関がみられる。その神経障害機序は補体介在性が主とされるが補体非介在性機序の存在を示唆する知見も報告されている。抗糖脂質抗体は慢性免疫性ニューロパチーでも一部に陽性となる。近年、heterogeneousな疾患群である慢性炎症性脱髄性多発根神経炎の一部に傍絞輪部神経蛋白に対する自己抗体が同定され、均一な臨床像と関連することが報告されている。新たな自己抗体の発見は病態解明、有効な治療法の開発につながる。本講演では,免疫性ニューロパチーにおける自己抗体の病的意義に関して最近の知見を紹介したい。