演者 |
向山 洋介 Senior Investigator Laboratory of Stem Cell and Neuro-Vascular Biology Genetics and Developmental Biology Center National Heart, Lung, and Blood Institute National Institutes of Health |
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会場 | 東京都医学総合研究所 2BC会議室 |
日時 | 平成28年12月22日(木)16:00~17:00 |
世話人 | 原 孝彦 (生体分子先端研究分野 幹細胞プロジェクトリーダー) |
参加自由 | 詳細は下記問合せ先まで |
お問い合わせ |
研究推進課 普及広報係 電話(03)5316-3109 |
「枝分かれ構造」は形態形成および組織構築の基本原理である。われわれは、全身に隈なく張り巡らされた枝分れ管腔構造である血管網をモデルに、どのようにして組織のかたちや生理機能に応じて階層的な血管網ができあがるのか?という基本メカニズムの解明に挑んでいる。
血管の基本構造は血管内皮細胞と血管壁細胞(ペリサイトと血管平滑筋細胞)であり、その相互作用が機能的血管網の構築に重要である。たとえば、脳・脊髄血管網における血管内皮細胞とペリサイトの相互作用が血液脳関門の構築に必須であることが知られている。興味深いことに、組織特異的な血管網構築における血管構成細胞とくに血管壁細胞の起源については未解明な点が多く残されている。
今回のセミナーでは、外胚葉由来組織(皮膚と脳)血管網におけるペリサイトの起源・発生について説明する。高解像ホールマウントイメージ法によるマウス胎仔血管網解析、in vivo細胞運命マッピング、変異マウスおよび初代培養を用いた細胞の分化能の解析を通して、組織に局在する原始血球系細胞とくにミエロイド系前駆細胞がTGF-ß シグナルを介してペリサイトに分化する、という我々の最新の知見を紹介し、組織特異的な血管網ができあがるしくみについて議論したい。