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平成28年度 医学研セミナー

カルボニルによる翻訳後修飾:
蛋白変性メカニズムの解析ツールおよび病態進展マーカーとしての利用性

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演者 永井 竜児
東海大学農学部バイオサイエンス学科食品生体調節学研究室 准教授
会場 東京都医学総合研究所 2階講堂
日時 平成29年2月24日(金)15:00〜16:30
世話人 新井 誠 (精神行動医学研究分野 統合失調症プロジェクトリーダー)
参加自由 詳細は下記問合せ先まで
お問い合わせ 研究推進課 普及広報係
電話(03)5316-3109

講演要旨

アミノ酸や蛋白のアミノ基に、カルボニル基(C=O)を介して還元糖が非酵素的に結合する反応はメイラード反応と呼ばれている。ヘモグロビンA1c (HbA1c)に代表される本反応の前期生成物(アマドリ転位物)は、既に糖尿病の血糖マーカーとして世界的に測定されている。これに対して、後期反応で生成するAGEs (Advanced Glycation End-products)の生成経路は複雑であり、かつ様々な構造が存在するため、AGEsの臨床応用は研究レベルに留まることが多い。しかし蛋白のAGEs化によってアミノ酸側鎖の荷電が変化し、さらに架橋構造を有するAGEsの存在から、酵素の活性低下や骨格蛋白の構造変化が確実に引き起こされるため、本反応が生体に影響を及ぼす点は多岐にわたる。

私共は生体蛋白のAGEs化を調べることによって、「蛋白変性機構の解明」および「病態マーカー」としての可能性を調べてきた。今回、これまでに見いだされたAGEsと加齢関連疾患との関連性について紹介したい。

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