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演者 | 柚崎 通介(慶應義塾大学・医学部・生理学 教授) |
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会場 | 東京都医学総合研究所 2階講堂 |
日時 | 平成27年11月27日(金)16:30〜17:30 |
世話人 | 齊藤 実 参事研究員(基盤技術研究センター長) |
参加自由 | 詳細は下記問合せ先まで |
お問い合わせ |
研究推進課 普及広報係 電話(03)5316-3109 |
近年のゲノム解析の進展から、精神疾患・発達障害の多くはシナプス形成分子やシナプス関連分子の遺伝子変異に起因する「シナプス病」であるという概念が受け入れられるようになりました。
すなわち、シナプスこそがあらゆる精神現象の根源であり、神経回路の作動原理の鍵を握っていると考えられます。しかし一体どのようにシナプスが形成され、どのように成熟後の脳において維持あるいは除去されるのかについては依然として良く分かっていません。
私たちは自然免疫系において最初に異物を認識する分子の一つである補体C1qのファミリー分子が強力なシナプス形成と維持活性を示すことを発見しました(Nat Neurosci ’05, ’12, ‘15; Science ‘10)。面白いことに補体ファミリー分子のいくつかは、中枢神経系においてシナプス形成のみでなく摂食を制御したり、脂肪細胞からも分泌され、糖脂質代謝や免疫系に作用したりすることが分かってきました。本講演では免疫系・代謝系・神経系を結びうる新たな恒常性維持機構として概念が拡大しつつある補体ファミリー分子について最近の知見を紹介させていただきます。