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演者 | 高田 昌彦 教授(京都大学霊長類研究所 神経科学研究部門 統合脳システム分野) |
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会場 | 東京都医学総合研究所 2階講堂 |
日時 | 平成28年3月18日(金)17:00~18:00 |
世話人 | 齊藤 実 参事研究員(基盤技術研究センター長) |
参加自由 | 詳細は下記問合せ先まで |
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研究推進課 普及広報係 電話(03)5316-3109 |
ウイルスベクターを用いた外来遺伝子の導入技術により、霊長類動物の遺伝子改変モデルを作出し、高次脳機能のメカニズム解明や精神・神経疾患の病態解明と治療法開発を目指した、我が国発の先端研究が進展している。サルやマーモセットの脳内にウイルスベクターを注入して、特定のニューロン群に外来遺伝子を導入し、目的とする機能分子を発現させる手法である。ここでは、アデノ随伴ウイルスやレンチウイルスに由来する組換え体ウイルスベクターを利用して、パーキンソン病のサルモデルの作出と新たな遺伝子治療法の開発に関する研究成果を紹介する。内容は2つに分かれる。
前半では、黒質ドーパミンニューロンの変性・脱落を誘導するアルファシヌクレインをドーパミンニューロンに発現させることによりパーキンソン病モデルを作製し、さらに、アルファシヌクレインの凝集を低減させてドーパミンニューロン死を抑制すると考えられているパーキン蛋白の遺伝子導入によりパーキンソン病の発症を防御することを目的とした研究についてお話しする。
また、後半では、Cre-loxPシステムを用いて黒質線条体ドーパミン神経路に選択的にアルファシヌクレインを発現させることによってパーキンソン病モデルを作出することを目的とした研究についてお話しする。
最後に、Tet-ONシステムを用いたドーパミンニューロン選択的な活動抑制によるパーキンソン病モデルの作出や、最近開発に成功したアデノ随伴ウイルスベクターの血管内投与による外来遺伝子の全脳導入についても言及したい。