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演者 | 小出 剛 准教授(国立遺伝学研究所・系統生物研究センター・マウス開発研究室) |
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会場 | 東京都医学総合研究所 2階講堂 |
日時 | 平成28年2月12日(金) 16:00~17:00 |
世話人 | 吉川 欣亮 副参事研究員(哺乳類遺伝プロジェクトリーダー) |
参加自由 | 詳細は下記問合せ先まで |
お問い合わせ |
研究推進課 普及広報係 電話(03)5316-3109 |
マウスはさまざまな研究に広く使用されるとともに、精神疾患のモデルとなる可能性についても検討されてきました。しかし、精神疾患はヒトに固有のものであるために、どこまでヒトの疾患を反映するモデルとなり得るのか難しい問題です。
私たちの研究室では、野生系統と実験用系統の比較からヒト疾患の遺伝的基盤にアプローチできないかと考え、研究を進めてきました。野生系統と実験用系統は、それぞれ非常に特殊な環境に適応するために、その行動的特徴を獲得していると言えます。しかし、そのような行動的特徴は、環境が変われば逆に非適応的なものとなります。こうした行動形質から、ヒト疾患の理解や疾患モデル作製に貢献できないかと考えています。
今回は、野生系統が示す高い不安様行動について、その系統比較、コンソミック系統を用いた染色体マッピング、コンジェニック系統作製による遺伝子座マッピング、分子遺伝学的解析による候補遺伝子同定、その機能解析などの一連の解析をご紹介します。また、これらを通じて、野生系統と実験用系統が、ヒト精神疾患の研究にどのように貢献できる可能性があるのか、その可能性についてご紹介したいと考えています。