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演者 | 塩田 邦郎(東京大学大学院農学生命科学研究科 教授) |
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会場 | 東京都医学総合研究所 2階講堂 |
日時 | 平成28年2月29日(月) 16:00~18:00 |
世話人 | 本多 真 副参事研究員(睡眠プロジェクトリーダー) |
参加自由 | 詳細は下記問合せ先まで |
お問い合わせ |
研究推進課 普及広報係 電話(03)5316-3109 |
ナルコレプシーにおけるオレキシン産生細胞のように、疾患原因として自己免疫や他の原因による細胞の減少が唱えられる。しかし、病理学的検査ではオレキシン遺伝子(Hcrt)遺伝子領域がサイレントに陥った場合にも細胞が消失したとみなされる。ゲノムDNAはヒストンに巻きつき高次構造を取ることで、遺伝子の活性・不活性状態を作り出している。DNAメチル化とヒストン修飾はエピジェネティクス制御の主役である。オレキシン産生細胞では、Hcrt遺伝子領域DNAは低メチル化状態でヒストン修飾は活性型である。興味深いことに高血糖下ではHcrt遺伝子はサイレント型エピジェネティクス修飾となること、グルコース代謝中間体N-アセチルマンノサミン(ManNAc)がHcrt遺伝子領域の活性化エピジェネティクス状況を誘導することを発見した。これらは糖代謝異常が病気の原因となるエピジェネティクス状況の原因となることを意味する。すると、様々な疾患の病因と治療の基盤として、グルコースのヘキソサミン合成経路とO-GlcNAc修飾エピゲノムが新たなパラダイムとなってくる。