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平成26年度 医学研セミナー

超解像光学顕微鏡の原理と特徴

演者 藤田 克昌 (大阪大学大学院工学研究科 准教授)
会場 東京都医学総合研究所 講堂
日時 平成27年2月5日(木)15:00
世話人 正井 久雄 参事研究員(基盤技術研究センター)
参加自由 詳細は下記問合せ先まで
お問い合わせ 研究推進課 普及広報係
電話(03)5316-3109

講演要旨

光は生体に優しく、光学顕微鏡は医学・生物学研究に欠かせないものになっている。 しかしながら、光学顕微鏡が解像可能な物体は光の波としての性質に制限されており、その空間分解能は200nmとされてきた。 これは、1980年後半にドイツのAbbeが初めて明らかにしたものであるが、最近になって、この限界を超えることに成功した技術が複数登場している。 そのなかの2つの手法については2014年のノーベル化学賞を受賞し、今後、各方面での応用が期待されている。

光の波動性による限界を超えた空間分解能を実現した鍵は顕微鏡装置ではなく、蛍光分子の発光特性の活用である。 PALM(Photoactivated Localization Microscopy)、STORM(Stochastic Optical Reconstruction Microscopy)と呼ばれる手法は、試料を標識する蛍光分子の発光を同時に検出するのではなく、一分子一分子を個別に観察することでその位置を正確に計測し、非常に高い空間分解能の観察像を作りだす。 また、STED(Stimulated Emission Depletion)顕微鏡やRESOLFT(Reversible Saturable Optical Fluorescence Transitions)顕微鏡などは、蛍光分子の発光や消光の飽和を利用することにより光学系で決まる空間分解能の限界を超えた。 このほかにも、非常に微細なパターンをもった光で試料を照明して空間分解能を向上するSIM(Structured Illumination Microscopy)も実用化されている。 これらの超解像顕微鏡はその原理が大きく異なるため、それぞれ試料に対する向き不向きがあり、可能なアプリケーションにも違いある。 また、超解像顕微鏡に適した蛍光応答を示す蛍光分子の開発も進んでいる。

本講演では、それぞれの超解像光学顕微鏡の原理と特徴について概説し、それぞれの手法が得意とするアプリケーションを紹介する。

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