HOME広報活動都医学研セミナー

平成26年度 医学研セミナー

アルツハイマー病に対する先制治療法の開発に向けて

− この都医学研セミナーは終了しました。 −

演者 富田 泰輔(東京大学大学院 薬学系研究科 臨床薬学教室 教授)
会場 東京都医学総合研究所 講堂
日時 平成27年3月31日(火)17:00
世話人 野中 隆 副参事研究員(認知症プロジェクト)
参加自由 詳細は下記問合せ先まで
お問い合わせ 研究推進課 普及広報係
電話(03)5316-3109

講演要旨

アルツハイマー病(AD)患者脳に老人斑として蓄積するアミロイドβタンパク質(Aβ)は、前駆体タンパク質APPからβおよびγセクレターゼによって産生される。家族性ADの遺伝学的研究から、Aβ産生量の上昇や凝集性亢進がアルツハイマー病の発症に深く関与していると考えられてきた。最近になり、Aβ産生量を低下させるAPP遺伝子変異がAD発症に対して予防的に働くことも明らかとなり、脳内Aβ量がAD発症に重要であることは確立しつつある。しかし大規模臨床観察研究によりAβ蓄積が早期から始まっていることが示され、AD発症後の抗Aβ療法の治療効果は限定的である可能性がある。すなわち、未病期のできるだけ早い段階で診断を行い、Aβに対する「先制治療」を開始することが重要である。本講演ではこれまでの我々のAβ産生及び代謝に関する研究成果についてまとめると同時に、今後のAD先制治療法開発に関する展望について議論したい。

ページの先頭へ