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演者 | 飛鳥井 望 (公益財団東京都医学総合研究所 副所長) |
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会場 | 東京都医学総合研究所 講堂 |
日時 | 平成27年3月25日(水)16:30 |
世話人 | 糸川 昌成 参事研究員(精神行動医学研究分野) |
参加自由 | 詳細は下記問合せ先まで |
お問い合わせ |
研究推進課 普及広報係 電話(03)5316-3109 |
ちょうど20年前、阪神淡路大震災と地下鉄サリン事件があり、それを機に被災者や被害者の精神的後遺症としてのPTSDに高い社会的関心が寄せられたものの、診断法や治療法は手探りの状況にあった。 以来PTSDは、日本の精神医学において、急速な発展を遂げた疾患領域のひとつと言われる。 われわれは、PTSD症状評価・診断法として、改訂出来事インパクト尺度(IES-R)とPTSD臨床診断面接尺度(CAPS)の日本語版の信頼性と妥当性の検証を重ねてきた。 両尺度とも心理検査法として医療保険適用を認可され、現在では臨床や多くの調査研究で広く使用されている。 また国際的に評価の高いPTSDの曝露療法(PE療法)の日本での有効性を、ランダム化対照試験によりあきらかにした。 この知見は、質の高いメタ解析報告として定評のある、英国コクラン・ライブラリーの「成人の慢性PTSDのための心理治療」レビュー(2013)にも収載された。 その成果を踏まえ、「東京都犯罪被害者等支援計画」における取組みとして、PE療法の活用が盛り込まれた。 被害者支援都民センターでは都助成を受け、国際的にも例の少ない先駆的な支援活動モデルの試みとして、犯罪被害者のPTSD回復にPE療法を大いに役立てることができている。