− この都医学研セミナーは終了しました。 −
演者 | チェンバーズ ジェームズ (東京大学大学院・農学生命科学研究科 助教) |
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会場 | 東京都医学総合研究所 講堂 |
日時 | 平成27年2月13日(金)11:00 |
世話人 | 長谷川 成人 参事研究員(認知症・高次脳機能研究分野) |
参加自由 | 詳細は下記問合せ先まで |
お問い合わせ |
研究推進課 普及広報係 電話(03)5316-3109 |
ヒトだけではなく動物においても加齢性に脳にβアミロイドが沈着し、いわゆる「老人斑」を形成する。しかしながら、これらの動物では神経原線維変化は殆ど形成されず、ヒトのアルツハイマー型認知症のような著しい神経細胞脱落はみられない。近年、ネコ、ヤマネコ、チーターなどのネコ科動物の脳において加齢性に神経原線維変化が形成されることを発表者が発見したので、本講演ではネコ科およびその他の動物種における脳老化病変についてヒトと比較しながら解説する。また、獣医学領域で遭遇する様々な動物の神経疾患(SOD1変異に関連した変性性脊髄症、ラフォラ病、クラッベ病、セロイドリポフスチン症、脳腫瘍、感染症など)について、ヒトの疾患と比較しながら紹介する。
非家族性の神経変性疾患の病理発生については依然として不明な点が多い。ヒトや遺伝子改変マウスだけでなく、その他の哺乳類についても比較研究することが「なぜヒトが神経変性疾患に罹患するのか」を解明する糸口になるのではないかと考えており、本セミナーが獣医学から医学に還元する機会になればと思う。